App Store Connectの年齢制限指定は、「このアプリを何歳向けに作ったか」を選ぶ欄ではありません。
アプリにある機能とコンテンツ、その出現頻度を回答し、Appleがglobal ratingと地域別ratingを算出します。
回答前に機能とコンテンツを分けて棚卸しする
Appleの年齢制限指定手順では、in-app controls、capabilities、content descriptionsを順に確認します。画面を開いてから思い出すのではなく、次の単位で先に一覧にすると回答がぶれにくくなります。
- 保護者による制限や年齢確認の仕組み
- Web表示、投稿、チャット、広告などの機能
- 暴力、医療、恐怖、性的表現などのコンテンツ
- コンテスト、loot box、simulated gambling、gambling
- platformごとに異なる機能や配信中のコンテンツ
年齢制限指定はアプリ単位で設定され、同じアプリの全platformで一貫して表示されます。iOS版にはなくmacOS版にはある機能など、platform差分も回答前に確認します。
UGC、チャット、Webアクセスを名前だけで選ばない
Age ratings values and definitionsには、各capabilityの対象が具体的に示されています。
| 項目 | Appleの定義で確認する点 |
|---|---|
| User-Generated Content | ユーザーが作った動画、写真、文章、音声などを、アプリの意図した体験として広く配信する |
| Social Media | feed、community、searchなどを通じ、UGCを再配信・拡散・反応できる |
| Messaging and Chat | ユーザー同士がアプリ内でtext、voice、videoなどにより直接やり取りする |
| Unrestricted Web Access | アプリ内で任意のWebページへ移動し、自由にbrowseできる |
入力欄があるだけでUGC、外部リンクがあるだけでUnrestricted Web Accessになるとは限りません。反対に、独自ブラウザや自由なURL移動を実装しているのに、特定ページを表示するWebViewと同じ扱いにするのも避けます。名称ではなく、ユーザーが実際にできる操作を定義と照合します。
頻度はコンテンツごとに回答する
questionnaireでは、対象となる内容がないか、infrequentか、frequentかをcontent descriptionごとに回答します。複数の表現をまとめて「刺激が弱いからNone」とせず、暴力、恐怖、医療、性的表現、chance-based activitiesを分けて確認します。
Appleの定義ページに回数の一律な数値基準は示されていません。更新時にも同じ判断を再現できるよう、該当画面、登場する場面、ユーザーが到達する条件をメモに残しておくと見直しやすくなります。
ユーザー投稿を扱うアプリでは、初期コンテンツだけでなく投稿後に表示され得る内容も確認します。moderation機能があることと、表示されるcontent descriptorが存在しないことは別の判断です。
新しい5区分は回答から計算される
OS 26以降のApple devicesで使われるglobal age ratingは、4+、9+、13+、16+、18+です。主な対応は次のように整理できます。
| Rating | 含まれ得る機能・コンテンツの例 |
|---|---|
| 4+ | Parental Controls、Age Assurance、UGC、Messaging and Chat、Advertising、infrequent contests |
| 9+ | infrequentのprofanity、horror、cartoon violence、guns、loot boxes |
| 13+ | Social Media、frequentのprofanityやhorror、infrequentのmedical information、simulated gambling |
| 16+ | Unrestricted Web Access、frequentのmedical informationやmature themes |
| 18+ | Gambling、frequent simulated gambling、frequent realistic violenceなど |
この表は、開発者が希望するratingを選ぶための早見表ではありません。App Store Connectで項目と頻度を正確に回答した結果としてratingが計算されます。UnratedになったアプリはApp Storeで公開できません。
App Store Connectで保存する
入力できるroleはAccount Holder、Admin、App Manager、Marketingです。対象アプリのApp Informationを開き、Age Ratingsから次の順で進めます。
- Set Up Age Ratingsを選ぶ
- In-App ControlsとCapabilitiesに該当する機能を選ぶ
- content descriptionごとにfrequencyまたはpresenceを回答する
- Additional InformationでCalculated Ratingを確認する
- Made for Kidsまたは上位ratingへのoverrideが必要か判断する
- 必要ならAge Suitability URLを入力してSaveする
- global ratingとregion-specific ratingをそれぞれ確認する
保存後も、投稿、チャット、広告、Web表示、医療情報などを追加したときは回答を見直します。buildだけでなく、サーバーから配信するコンテンツや機能flagで有効になる機能も棚卸しに含めます。
Made for KidsとCalculated Ratingは別に判断する
Calculated Ratingが4+または9+で、App StoreのKids categoryにも表示したい場合は、Made for Kidsと対象の年齢帯を選びます。これは低いratingが計算されたら自動的に付く設定ではありません。
Made for KidsはApp Reviewで承認されると変更できず、その後のupdateもKids category guidelinesへ従う必要があります。子ども向けとして継続運用する意思があるかを確認してから選びます。
反対に、EULAで定める最低年齢がCalculated Ratingより高い場合や、実態に合わせて高いratingを表示したい場合はOverride to Higher Age Ratingを使います。content descriptionの回答はそのまま表示されるため、overrideで誤った回答を補正することはできません。
旧OS表示と地域別ratingも確認する
OS 26より前のApple devicesでは、従来の4+、9+、12+、17+が表示されます。新しい13+、16+、18+だけを見て、古いOSでの表示が同じだと考えないようにします。App Store ConnectではOperating Systems Earlier than Version 26の欄から確認できます。
地域要件によって、global ratingとは別のratingが表示される場合もあります。Appleの2026年5月21日の案内では、6月18日からオーストラリアの15+が廃止され、対象アプリは16+へ更新されました。ベトナムでは00+、12+、16+、18+のregion-specific ratingが製品ページに表示されます。
配信地域を増やしたときやApp Reviewから地域別ratingの連絡を受けたときは、global ratingだけで完了とせず、該当地域の表示と追加手順を確認します。
問い合わせフォームをUGCやチャットと混同しない
ユーザーが文章を入力する機能をすべてUser-Generated Contentとして扱うと、問い合わせ窓口まで同じ分類に見えてしまいます。Appleの定義で問われるUGCは、ユーザーが作った内容をアプリの意図した体験として広く配信する機能です。
IndieFormの公開フォームから届く本文は、運営者がダッシュボードで確認する非公開の問い合わせです。ユーザー同士へ公開・拡散する機能や、ユーザー間チャットを提供するものではありません。ただし、年齢制限指定の最終判断はIndieFormの有無ではなく、アプリ全体の実装とコンテンツで行います。
年齢制限指定そのものを問い合わせフォームへ掲載したり、ユーザーに判定してもらったりする必要はありません。公開後に年齢による利用制限や機能差について質問を受ける可能性があるなら、回答内容を社内メモへ残し、Support URLから連絡できる状態を用意します。Support URLの条件はApp StoreのサポートURLに必要なもので確認できます。
提出時にほかの指摘も受けている場合は、年齢制限指定の修正とReviewメッセージへの返信を混ぜず、App Store審査リジェクトへの返信手順に沿って変更点を分けて伝えます。