アプリの問い合わせ窓口を急いで用意するなら、Googleフォームは有力な選択肢です。無料で公開でき、回答を一覧やスプレッドシートで確認できます。
リリース直後で問い合わせが少ない間は、それで十分なこともあります。違いが出るのは、届いた内容から不具合を調べ、返信し、複数の問い合わせを管理する段階です。
問題1:調査に必要な環境情報が足りない
「アプリが起動しません」という本文だけでは、OS、端末、アプリのバージョンを特定できません。フォームへ入力欄を追加できますが、ユーザーが自分の環境を調べて正確に入力する負担が増えます。
アプリ向けの問い合わせフォームでは、アプリ内からフォームを開くURLへ、次のような値をクエリパラメータとして付ける方法があります。
app_versionplatformos_versiondevice
受け取るフォーム側がパラメータを保存できれば、ユーザーに入力させず問い合わせと関連付けられます。生のユーザーIDや不要な個人情報は渡さず、調査に必要な項目だけに絞ってください。
問題2:対応状況と返信の文脈を別に管理する
Googleフォームは回答の受付と確認に向いています。公式ヘルプでは、回答を要約・個別表示・スプレッドシート・CSVで確認する方法が案内されています。
一方、アプリサポートでは、回答データとは別に次の状態も必要になります。
- 未対応、対応中、完了のどこにあるか
- いつ、どの内容で返信したか
- 同じ質問へ過去にどう答えたか
- どのアプリの問い合わせか
問い合わせが少ないうちはスプレッドシートへ列を追加して管理できます。件数やアプリ数が増え、返信履歴を探す時間が増えたら、受付と対応管理を一つにまとめる効果が出てきます。
問題3:サポート情報をまとめるページにはしにくい
App StoreのサポートURLでは、アプリとサポートURLに問い合わせ可能な連絡手段を含めるようAppleのガイドラインで求められています。Googleフォームは連絡手段として利用できますが、FAQ、既知の問題、アプリ固有の案内を一緒に見せるには構成上の制約があります。
フォームだけを置くか、フォームを含むサポートページを用意するかは分けて考えます。
- まず連絡手段が必要ならGoogleフォーム
- FAQや既知の問題も案内するならサポートページ
- 環境情報と対応履歴までまとめるならアプリ向けの問い合わせ管理
サポートURL側の詳しい条件は、App StoreのサポートURLに必要なもので確認できます。
乗り換えを考えるタイミング
次のどれかが繰り返し起きるようになったら、専用フォームを比較するタイミングです。
- OSやアプリバージョンを毎回聞き返している
- 未返信の問い合わせをスプレッドシートで探している
- 過去の回答をメールからコピーしている
- 複数のアプリで同じフォームやシートを共有している
- 海外ユーザーからの問い合わせを翻訳している
問い合わせが月に数件で、現在の管理に困っていないなら、急いで置き換える必要はありません。運用上の手間が実際に発生した時点で比較するほうが、必要な機能を判断しやすくなります。
専用フォームを選ぶ場合は、フォームの見た目だけでなく、環境情報の受け取り、対応状況、返信履歴、データの持ち出し方法まで確認してください。
IndieFormへ切り替えると受付後の作業もまとめられる
IndieFormでは、アプリのストアURLまたはWebサイトURLから問い合わせフォームの下書きを作り、アプリごとの公開URLを発行します。複数アプリで一つのGoogleフォームを共有せず、どのアプリへ届いた問い合わせかを最初から分けられます。
アプリからフォームを開くURLにapp_version、platform、os_version、deviceなどを付けると、問い合わせ本文と一緒に環境情報を保存できます。届いた後は「新着」「対応中」「返信済み」「クローズ」で管理できるため、フォーム、スプレッドシート、メールへ対応状況を分散させる必要がありません。
海外ユーザーの問い合わせは原文を残して翻訳し、登録したFAQや仕様を根拠にユーザーの言語で返信案を作ります。返信案は自動送信せず、開発者が確認・編集して使います。
Googleフォームの手軽さが勝る段階はあります。IndieFormが合うのは、フォームを置くことより、届いた後の調査・翻訳・返信管理に時間がかかり始めた段階です。