ストアのレビュー返信は、投稿者だけに届くメールではありません。これからアプリを検討する人も読める公開情報です。
不具合の原因をレビュー欄だけで特定しようとせず、公開返信では受け止め方と次の行動を簡潔に示します。端末やアカウントの情報が必要になったら、非公開の問い合わせ窓口へ移します。
App StoreとGoogle Playの返信仕様
App Store Connectの公式ヘルプによると、App Storeでは一つのレビューに一つの返信が表示されます。返信は後から編集または削除でき、ストアへ反映されるまで最大24時間かかる場合があります。
Appleの評価とレビューの概要では、返信すると投稿者へ通知され、投稿者はレビューを更新できると説明しています。評価、レビュー、開発者の返信はいずれもプロダクトページで公開されます。
Google Playでも、評価とレビューの公式ヘルプに沿って、一つのレビューへ一つの公開返信を投稿し、後から編集できます。投稿者には通知が届き、メール通知にはストアへ登録したサポート用メールアドレスも含まれます。
両ストアに共通する前提は次の三つです。
- 投稿者以外にも読まれる
- 最初の返信後も文章を修正できる
- 返信を受けた投稿者がレビューを更新する可能性がある
評価の変更を求める文章ではなく、問題をどう受け止め、何を確認し、どこで対応を続けるかを書きます。
返信前にレビューを分類する
同じ低評価でも、必要な対応は異なります。文面を考える前に、レビューを次のように分けます。
| 種類 | 公開返信で示すこと | 次の対応 |
|---|---|---|
| 再現条件が分かる不具合 | 把握している事実と確認状況 | 修正予定が確定していれば案内する |
| 情報が足りない不具合 | 調査したい意思と必要な連絡先 | 問い合わせフォームで環境情報を受け取る |
| 操作方法の質問 | 現在の正しい操作 | 詳細な手順があればヘルプへ案内する |
| 課金・アカウントの問題 | 公開欄では個別確認できないこと | 本人確認できる非公開窓口へ移す |
| 要望 | 要望を受け取ったこと | 実装を約束せず検討対象として記録する |
| 不適切な投稿 | 反論せず、必要なら返信しない | ストアの報告機能を確認する |
レビューが短く、事実を判断できない場合に原因を決めつけないでください。「端末側の問題です」「すでに直っています」と断定すると、別の条件で発生しているユーザーを置き去りにします。
公開返信は三つの要素に絞る
返信は、受け止め、現時点の情報、次の行動の順に組み立てます。
- 不便や報告に対する受け止め
- 確認できている事実、または不足している情報
- 更新、ヘルプ、問い合わせ窓口などの具体的な行動
不具合の詳細が足りない場合は、次のように書けます。
ご不便をおかけして申し訳ありません。現在の情報だけでは発生条件を特定できないため、サポートページからアプリのバージョンと端末情報をお知らせください。確認して対応します。
修正版を公開した後なら、対象バージョンを明示します。
ご報告ありがとうございます。この問題への修正をバージョン2.4.1で公開しました。アップデート後も発生する場合は、サポートページから状況をお知らせください。
操作方法の誤解には、謝罪だけで終わらず手順を示します。
ご利用ありがとうございます。対象の設定は「設定」→「通知」から変更できます。メニューが表示されない場合は、サポートページでご利用環境をお知らせください。
例文のバージョン番号、画面名、修正状況は、実際のアプリに合わせて置き換えます。公開が確定していない機能や日程を約束してはいけません。
公開欄に書かない情報
Google Playの返信ガイドラインは、個人情報や機密情報を返信へ含めず、レビュー変更の勧誘や宣伝的な内容を避けるよう案内しています。投稿者側にも、メールアドレス、注文番号、ユーザーIDなどをレビューへ追記させないようにします。
公開返信で避ける内容は次の通りです。
- 投稿者の氏名、メールアドレス、アカウントID
- 購入履歴や個別の契約状態
- 認証コード、ログ、スクリーンショットに含まれる機密情報
- 「星を増やしてください」など評価変更の依頼
- 返信と関係のない宣伝やキャンペーン
- 確認できていない原因、修正日、返金可否の断定
返金、アカウント削除、セキュリティ事故のように確認と記録が必要な内容は、レビュー欄で結論を出さず、本人確認できる窓口へ案内します。
問い合わせ窓口へ移すときの設計
「お問い合わせください」だけでは、投稿者が次に何を伝えればよいか分かりません。リンク先で次の情報を受け取れるようにします。
- 問題が起きた操作
- 発生した結果と期待していた結果
- アプリのバージョン
- OSと端末
- 再現する頻度
- 返信先
ストアのレビュー名とアプリ内のユーザー情報が一致するとは限らないため、レビュー投稿者を名乗るだけでアカウントを特定しないでください。個別データを扱う場合は、アプリの認証方式に合う確認手順を別に設けます。
IndieFormでレビュー後の個別調査を続ける
IndieFormの公開フォームは、アプリから渡したバージョン、OS、端末などの環境情報を問い合わせ本文と一緒に受け取れます。レビュー返信にはサポートページのURLだけを載せ、詳しい状況は非公開フォームへ入力してもらうと、公開範囲を広げずに調査を続けられます。
レビューへの返信自体をIndieFormからストアへ投稿する機能はありません。App Store ConnectまたはPlay Consoleで公開返信を行い、個別対応が必要になった時点から問い合わせとして管理します。
英語レビューから問い合わせが届いた場合の返信手順は、英語の問い合わせ返信テンプレートと確認ポイントで確認できます。
修正後の返信も見直す
不具合を修正したら、最初の返信を放置せず、対象バージョンと確認方法を追記します。ただし、レビューを書き換えるよう投稿者へ求める必要はありません。修正内容を公開欄へ残すこと自体が、同じ問題を見た別のユーザーへの案内になります。
返信前には、文章だけでなくリンク先も確認します。サポートページが開くか、対象アプリが分かるか、実際に問い合わせを送信できるかまで試してください。App Store向けの窓口要件は、サポートURLに必要な内容と設定方法で整理しています。