Google Playのコンテンツ レーティングは、開発者が希望する年齢区分を一つ選ぶ設定ではありません。アプリのコンテンツと機能について質問票へ回答すると、IARCに参加する複数の評価機関が地域ごとの基準でレーティングを算出します。
対象ユーザーの年齢を申告する項目とも別です。公開準備では、この二つを同じ判断で埋めず、アプリの実態と想定する利用者をそれぞれ確認します。
質問票を開く前に公開ビルドを棚卸しする
Google Playのコンテンツ レーティング要件では、アプリの性質について正確かつ完全な情報を回答するよう求めています。画面を開いてから記憶だけで選ぶのではなく、公開するビルドと配信中の内容を次の単位で確認します。
- アプリ内で開発者が用意している文章、画像、音声、映像
- ユーザーが作成または送信した内容が、誰にどの範囲で表示されるか
- チャット、コンテンツ共有、位置情報共有など、ユーザー間の操作
- 抽選、賭け、購入を伴う仕組みや、偶然性のある報酬
- 広告の有無と、広告から移動できるオファー
- Webやサーバーから取得し、ビルド更新なしで変わるコンテンツ
質問票の内容は、最初に選ぶアプリのカテゴリや現在のPlay Consoleによって変わり得ます。固定の回答例をコピーせず、表示された各設問を実装へ対応させてください。
回答の根拠には、該当画面、到達条件、表示される内容を短く残します。たとえば「投稿機能あり」だけでなく、「投稿は本人と運営者だけが閲覧する」「投稿一覧を全ユーザーが閲覧できる」のように公開範囲まで書くと、次の更新でも同じ基準で見直せます。
対象ユーザーの年齢とは分けて考える
コンテンツ レーティングは、質問票への回答を基にコンテンツの適切な年齢を伝える仕組みです。一方、Play Consoleの「対象ユーザーおよびコンテンツ」は、開発者がどの年齢層に向けてアプリを設計したかを申告します。
対象ユーザー設定の公式ヘルプでは、コンテンツ レーティングに加えて対象ユーザーの申告が必要とされています。対象年齢に子どもを含める場合はFamilies Policyの要件が関係するため、「全年齢にダウンロードしてほしい」という理由だけで子どもの年齢層を追加しません。
| 確認項目 | 判断する内容 | 結果 |
|---|---|---|
| コンテンツ レーティング | アプリに実際にあるコンテンツと機能 | 評価機関ごとの地域別レーティング |
| 対象ユーザーおよびコンテンツ | アプリを設計した対象年齢層 | 適用される追加ポリシーや審査条件 |
低いレーティングが算出されたことは、子ども向けに設計したという申告にはなりません。反対に、成人向けの対象年齢を選べば、質問票の成熟した内容を申告しなくてよいわけでもありません。
Play Consoleで質問票を提出する
回答根拠を用意したら、Play Consoleで次の順に進みます。
- 対象アプリを開き、「ポリシーとプログラム」から「アプリのコンテンツ」へ移動する
- コンテンツ レーティングの「開始」を選ぶ
- 説明を確認し、IARCとの連絡に使うメールアドレスを入力する
- アプリに該当するカテゴリを選ぶ
- 表示された質問へ、公開ビルドの実態に合わせて回答する
- Summaryに表示された地域別の算出結果を確認する
- 回答と結果に問題がなければ提出する
途中で止める場合は下書きとして保存できます。各アプリで保持できる下書きの質問票は一つです。提出済みの結果が実態と合わないと気づいた場合は、Content ratingページから新しい質問票を開始して回答し直します。
質問票の不正確な申告は、アプリの削除または停止につながる可能性があります。希望するレーティングへ寄せるために該当機能を「なし」にせず、公開中の実態を回答してください。
地域別の結果を一つの数字にまとめない
同じ質問票を提出しても、地域ごとの評価機関はそれぞれの方法でレーティングを決めます。そのため、アメリカ大陸、欧州、ドイツなどで表示される区分や年齢が異なる場合があります。
Summaryでは、最も低い年齢の結果だけを見て完了にしません。配信する地域ごとに表示されるレーティングとdescriptorを確認し、ストアの説明や広告でレーティングを表示する場合も該当地域のものを使います。
算出結果に疑問がある場合は、まず回答内容が実装と一致するかを確認します。回答を修正しても解決せず、評価機関の判定へ異議がある場合は、IARCの証明書メールに記載されたリンクから該当する評価機関へ直接申し立てます。Google Playの審査メッセージへ返信する手続きとは窓口が異なります。
広告もレーティングの確認対象にする
アプリ本体に成熟した表現がなくても、表示する広告や広告先のオファーが同じとは限りません。Google PlayのContent Ratingsポリシーでは、アプリ内広告をアプリ本体の主要コンテンツより著しく成熟した内容にしないよう定めています。
広告を使う場合は、質問票を提出するだけで終わらず、広告サービス側も確認します。
- 広告ネットワークで許可しているコンテンツカテゴリ
- 広告コンテンツの年齢制限またはブロック設定
- 広告から遷移するアプリや商品などのオファー
- 子どもを対象ユーザーに含める場合の広告SDKと配信設定
広告SDKを追加した更新では、「アプリの文章や画像は変えていない」と考えず、広告に関する回答とフィルタ設定を一緒に見直します。
機能や配信内容が変わったら再回答する
質問票は初回公開時だけの作業ではありません。Google Playは、質問票の回答へ影響するコンテンツまたは機能変更を伴う更新でも回答を求めています。
次のような変更では、リリース前に以前の回答との差分を確認します。
- ユーザー投稿やチャットを追加した
- 表示できる画像、動画、文章の範囲を広げた
- 抽選、loot box、simulated gamblingに該当し得る仕組みを追加した
- 広告を新規導入した、または広告カテゴリの制限を変更した
- Web配信のコンテンツ方針を変更した
- feature flagで既存ユーザーにも新機能を有効にした
アプリのversion更新を伴わないサーバー側の変更でも、ユーザーが触れる内容が変われば確認対象です。リリースチェックリストには「前回の質問票回答へ影響するか」を一項目として残しておくと、更新漏れを防げます。
非公開の問い合わせと公開投稿を分ける
ユーザーが文章を入力できるというだけでは、内容の公開範囲やユーザー間機能までは分かりません。質問票へ答えるときは、入力欄の名称ではなく、送信後に誰が閲覧でき、誰とやり取りできるかを確認します。
IndieFormの問い合わせフォームから送信された内容は、運営者がダッシュボードで受け取る非公開の問い合わせです。ユーザー同士の投稿一覧やチャットを作る機能ではありません。ただし、コンテンツ レーティングの回答は問い合わせフォームだけで決めず、アプリ本体の投稿、共有、Web表示、広告を含む実装全体で判断します。
問い合わせフォームを用意する場合は、入力内容の公開範囲を仕様として残し、ストア申告の棚卸しでも説明できる状態にします。Google Playへ登録するサポート情報との関係は、Google Playの必須項目と問い合わせ先の用意の仕方で確認できます。
iOS版も配信する場合は、Google Playの結果をApp Store Connectへそのまま転記できません。Apple側は独自の項目と区分を使うため、App Store年齢制限指定の回答手順で別に確認してください。
提出前チェックリスト
- 公開するコンテンツと機能を画面単位で棚卸しした
- ユーザー入力の公開範囲とユーザー間の操作を確認した
- 対象ユーザーの年齢申告とコンテンツ レーティングを分けた
- 広告と広告先のオファーを確認した
- 全設問へ実態どおりに回答した
- Summaryで配信地域ごとの結果を確認した
- 回答根拠と前回からの差分を記録した
- 次の機能追加時に質問票を見直す担当とタイミングを決めた
レーティングは公開直前に年齢を選ぶ欄ではなく、アプリの現在地を各地域の評価へ変換する申告です。回答根拠をリリースごとに更新すれば、機能追加のたびに最初から判断し直す負担も減らせます。